米国ロサンゼルスに、世界初となるAI美術館が開館したというニュースが話題を呼んでいます。
https://japan.cnet.com/article/35249793/
大規模言語モデル(LLM)をはじめとするAIがコンテンツや作品を自ら生成し、それを展示する時代がついに到来しました。
以前のメルマガでもAIによる制作業務の効率化について触れましたが、芸術や展示という人間の創造性の象徴とも言える領域で、AIが主役にな
り始めたことは、非常に象徴的な出来事だと強く感じています。
これは単なる最新技術の披露ではなく、「整ったものを作る技術」そのものの希少性が急速に薄れつつあることを示しているのではないでしょう
か。
コンテンツ制作のハードルとコストが劇的に下がる中で、ここで最も重要になる視点は、芸術であれ広告であれ「誰がどんな文脈で発信している
か」というストーリーの価値、すなわち『人間価値化』です。
この変化は、私たち中小企業のマーケティングや事業戦略にも多角的な影響を与えると考えられます。
まず、既存事業のプロセスにおいては、表現や制作の工程自体が自動化されることで、社内リソースは「手を動かす作業」から「コンセプトの定義
や本質的な戦略立案」という上流工程へ大きくシフトしていくと思われます。
また、マーケティング手法への応用という点でもアプローチの変化が求められます。
ツールを使えば誰もが綺麗なコンテンツを作れる時代だからこそ、自社ならではの理念や開発秘話、失敗から学んだ経験といった『人間価値化』を
軸にした情報発信が、顧客からの真の共感と信頼を獲得する鍵になるはずです。
さらに、組織や人材育成へのインパクトも見逃せません。
単なるITツールの操作スキルやデザインスキル以上に、自社のビジョンを深いレベルで理解し、独自の文脈として熱量を持って言語化できる人材
の重要性が一段と高まるかもしれません。
AIを当たり前の道具として活用した上で、自社にしか出せない「想い」や「歴史」をいかに表現に落とし込むか。
これからの時代の差別化において、最大の鍵は『人間価値化』にあります。